インプラントのメンテナンス
インプラントはご自身の歯の代わりとなるメリットの多い治療法です。ブリッジや入れ歯よりも耐久性が高く、安定した使用感が得られます。
インプラントの土台は、患者さまの顎骨です。インプラントを快適に使い続けるためには、健康な顎骨と良好な口腔環境を保ち続けることが重要です。
天然歯と同じように歯磨きは毎日しっかり行ない、食べかすや歯垢が溜まらないようにしましょう。歯磨きだけでは取り除けない汚れや歯石は、歯科医院でクリーニングすることをおすすめします。
また、インプラントに破損やガタつきがないかなども、定期的にチェックすると安心です。
こうした適切なメンテナンスが、心地よく使える健康的で寿命の長いインプラントを実現させます。
インプラント周囲炎について
歯垢や歯石が溜まって歯肉が炎症を起こすと、歯周病になります。インプラントの場合も、植立した周辺組織が感染すると「インプラント周囲炎」という状態になります。天然歯よりも炎症の進行が速いので、予防を徹底しましょう。
悪化させると顎骨にまで炎症が及び、インプラントを支えられなくなって脱落させてしまう危険性もあります。
インプラントの寿命を延ばすために
定期検診
歯肉と顎骨の健康状態と、噛み合わせやインプラントに不具合はないかチェックします。蓄積した歯垢や歯石をクリーニングで徹底的に除去し、インブラント歯周炎のリスクを低減させます。
歯磨き指導
定期的なメンテナンスと毎日のケアは両輪です。患者さまご自身でより良い歯磨きを行なえるように、ご指導します。効果的なブラッシング法、フロスなどの補助器具の使い方もお伝えします。
食生活指導
お口は食べるための大事な器官です。食生活の乱れは口内健康を損なうので、バランスの良い食事が大切です。質の高い睡眠やストレスとの付き合い方など、生活習慣も見直してみましょう。
インプラントによる治療の一般的なリスク・副作用
- ・機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
- ・インプラントの埋入にともない、外科手術が必要となります。
- ・高血圧症、心臓疾患、喘息、糖尿病、骨粗鬆症、腎臓や肝臓の機能障害などがある方は、治療を受けられないことがあります。
- ・手術後、痛みや腫れが現れることがありますが、ほとんどの場合1週間ほどで治ります。
- ・手術後、歯肉・舌・唇・頬の感覚が一時的に麻痺することがあります。また、顎・鼻腔・上顎洞(鼻腔の両側の空洞)の炎症、疼痛、組織治癒の遅延、顔面部の内出血が現れることがあります。
- ・手術後、薬剤の服用により眠気、めまい、吐き気副作用が現れることがあります。
- ・手術後、喫煙や飲酒をすると治療の妨げとなるので、1週間は控えてください。
- ・インプラントの耐用年数は、口腔内の環境(骨・歯肉の状態、噛み合わせ、歯磨きの技術、メンテナンスの受診頻度、喫煙の有無など)により異なります。
- ・毎日の清掃が不十分だった場合、インプラント周囲炎(歯肉の腫れや骨吸収など)を引き起こすことがあります。